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これは、社会から取り残されて死刑囚になって、死刑囚になってから字を覚えていろいろなことを考えた男の手記。いまでは死刑囚を取り巻く環境が、日本では時代と逆行し、外部との接触が極端に制限されて、このような手記が世に出ることはない。 死刑囚がどんな想いで独房の中に生きるのか、それを知る貴重な資料でもある。 そして、ひとりの人間が死に向かって生きるとはどういうことかという、誰人にも通じる根源的な命題に対しての問いかけでもある。
あなたは死刑に賛成ですか? 私は、冤罪の可能性がまったくなくならない限り、どんな理由があろうとも死刑には反対である。どんな理由があろうとも、人の命を人が奪うことが法的に許されるようなことがあってはならないと、考える。 河出文庫 \880
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