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洒落ていると言えば、鏡花。 明治文学の人気作家で、尾崎紅葉の弟子。 私は全集(全29巻)を古本屋で入手した。文庫版もいろいろ出ていて、オススメは「草迷宮(くさめいきゅう)」。 耳に残る、幼き日に母が歌った手鞠唄の文句を求めて彷徨う青年が辿りついたのは、妖怪に護られた美女の棲む荒屋敷。 時間・空間が織り重なり、幻想文学の元祖とも言える鏡花独特の迷宮世界が顕現する名作。 旧い日本語なので慣れないと読みづらいが、味わいの深さと、淡々としながらもドラマチックな展開に息を呑む感覚は、他では味わえない。 岩波文庫 \460 また、寺山修司監督による本原作の幻の映画がDVD化されている。 紀伊國屋 KKDS-62 \4800
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