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「りゅうたんじ・ゆう」と読む。 忘れ去られようとしている作家である。 明治34年生まれで、戦前の流行作家として活躍した。流れるような、洒落て詩的でもある美しい、しかし確信に満ちた文体が非常に魅力的で、読者を酔わせる。 とくに深い哲学があるわけでも、とくに胸に刺さるようなドラマがあるわけでもない。 だが、薫り高い紅茶とか、ムードの良い料理屋のような、時折触れずにはいられない郷愁を私は感じる。とにかく、文章の魅力という点で、この人に勝る人はいないと思うのである。 全集も絶版、さばと館版も絶版。講談社文芸文庫の一冊以外は非常に入手しづらくなった。 ぜひ古本屋で探してみて欲しい。
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